2012年12月22日

平成22年第2回定例会での提案

 平成22年第2回定例会において提案した「保育コンシェルジュ」について、本日(22日)付けの「公明新聞」に紹介されました。

【公明新聞より】(2012年12月22日 3面)
待機児童ゼロへ コンシェルジュ〈専門相談員〉が活躍/「自分に合ったサービスが見つかった」と喜びの声/保護者の要望きめ細かく対応/子育てと仕事 両立を応援/横浜市

 都市部を中心に自治体が頭を悩ませている「待機児童」の問題。横浜市は2年連続で「待機児童」を大幅に減らし、注目を集めている。同市では特に「保育コンシェルジュ」と呼ばれる全国でも珍しい専門相談員が活躍している。その取り組みを追った。
 『瀬谷区はゼロ達成』
 「来年4月入所の認可保育所の申し込みは、郵送の場合、本日必着分までですよ。もう済ませましたか?」
 ある朝、横浜市瀬谷区の瀬谷地区センターの一室で行われた「赤ちゃん教室」をのぞくと、お母さんたちに声を掛ける保育コンシェルジュの箱木文子さんの姿があった。
 ちょうどこの日は、郵送による認可保育所の申込期限日だったため、箱木さんは申し込み忘れがないかと、会話の中で確認したのだ。また、箱木さんは、保育所や幼稚園での自らの勤務や子育ての経験を踏まえ、保育所に入れなくても困らないよう他の保育サービスの利用もアドバイスしていた。
 瀬谷区では、こうした保育コンシェルジュのきめ細かな相談対応が実を結び、2012年4月1日時点で、他区に先駆けて待機児童ゼロを達成した(11年同時点は14人)。同区の場合、保育コンシェルジュが区窓口での応対、電話相談のほか、0歳児と保護者が集まる赤ちゃん教室などにも定期的に出向き、出張相談を行っている。
 『保育所の積極整備』
 横浜市は10年度から、待機児童対策を市の重点施策に掲げ、3年間でのゼロをめざしている。待機児童数は、10年の1552人から12年の179人へと、2年間で約9割も減っている(いずれも4月1日時点)。
 成果を挙げた要因として大きいのは、認可保育所の積極的な整備だ。10、11年度の2年間で、民間保育所71カ所(定員約5000人分)増やし、市全体の定員数は約4万3600人を突破(12年4月1日時点)。市は保育所が足りない地域(緊急整備地域)では整備費の補助額を1・5倍に増やしたり、保育所を運営したい事業者に不動産物件情報の提供なども行っている。
 しかし、「保育所整備という“量”の拡大は必須だが、それだけでは待機児童を減らすことはできても、完全にゼロにすることはできない」(市緊急保育対策課)という。そこで市が、待機児童ゼロをめざして各区に配置したのが保育コンシェルジュだ。
 『幅広い選択肢』
 保育コンシェルジュとは、保護者らからの保育サービスに関する相談に乗る専門相談員のことだ。市の非常勤嘱託員として、11年2月から順次、配置を進め、現在は全18区に21人いる(原則、1区当たり1人だが、保留児童の多い港北、鶴見、神奈川の3区は2人)。公明党市議団も10年6月の議会で取り上げて以来、議会質問や予算要望を通じて、保育コンシェルジュの設置、増員を推進してきた。
 認可保育所を希望する家庭の中には、もともとはアルバイトやパートとして週1、2回程度働きたいが、子どもを認可保育所に預けるために無理やり入所要件である「1日4時間以上かつ月16日以上」働く家庭もあるという。そうした短時間就労を希望する家庭などの保育ニーズ(要望)に対し、市が提供する幅広い保育サービス【表参照】の中から適切なものを選び、提供していくのが保育コンシェルジュだ。
 例えば、両親共働きの場合、国の基準を満たす認可保育所に入れなくても、主に3歳未満児向けなら、市が独自基準を設けて提供する「横浜保育室」に入所できる。また、認可保育所の入所要件に満たない「1日4時間以上かつ月12日以上」の場合でも、主に3〜5歳児を認可保育所と同じように長時間預かる「横浜市預かり保育幼稚園」に入所が可能だ。
 さらに、市が認定する「家庭保育福祉員」が家庭的な雰囲気の中で保育を行ったり、事業者が同様の保育を行う「横浜市家庭的保育事業」なども実施されており、保育コンシェルジュがその家庭に適したアドバイスを行っている。
    * 
 箱木さんの元には「自分に合った保育サービスが見つかった」などの喜びの声が寄せられているという。箱木さんは「お母さんたちと話すようになってみて、認可保育所以外の選択肢を知らない方が多いのに驚いた。入所できなかったため、仕事を辞めてしまった方もいた。一人一人との関わりを増やし、子育てと仕事の両立を応援していきたい」と語っていた。
 『待機児童とは』
 『全国で約2.5万人も/公明、解消に全力』
 待機児童とは、認可保育所に入所申し込みをしたにもかかわらず、定員超過により入所できなかった児童(保留児童)のうち、国の指針に基づき、自治体が提供する代替サービス(横浜市の場合、横浜保育室や一時預かりなど)を受ける児童らを除いたものをいう。
 厚生労働省によると、全国の待機児童数は2012年4月1日時点で2万4825人に上る。前年比で横浜市など7市が100人以上減らし、全体としても731人減少した。一方、待機児童のいる市区町村は、前年比で20増の357になった。
 公明党が主導した社会保障と税の一体改革により、1兆円超を使って、待機児童解消のための認定こども園(幼稚園と保育所の機能を併せ持つ施設)の拡充や保育士の待遇改善などが進むことになっている。

【平成22年第2回定例会の議事録より】
 この4月の待機児童は、昨年より262人ふえて1,552人となりました。21年度中には約1,400人の認可保育所の定員増を図ったわけですが、それでも待機児童は増加いたしました。全国の集計は発表前ですが、神奈川県の状況を見ると4,117人と前年比872人増加しており、横浜を初めとする大都市でその約8割を占めております。一方、横浜市内でも区別に見れば昨年と違い減少している区もあり、定員にあきがある保育園も生じております。横浜市では就学前児童が減少する中、保育需要は伸びてきています。これまで以上に女性の就労意欲が高まっていますが、必ずしもフルタイムの就労を希望しているわけではなく、日数や時間が比較的短い就労形態の希望もあり、多様化が進んでいると思われます。
 そこで、待機児童対策については保育所整備だけでなくさまざまな保育資源を活用して就労形態に合った多様な保育サービスを提供する取り組みを進めるべきと考えますが、市長の基本的なお考えを伺います。
 次に、多様な保育サービスを提供するに当たっては、市内には既にさまざまな保育資源が存在しております。横浜市の大きな特徴として、289園という非常に多くの幼稚園があります。預かり保育事業を進めていることは承知しておりますが、実施している園は約4分の1にすぎません。22年度の予算で実施条件を緩和したモデル事業を計上しておりますが、さらに幼稚園の協力を得ていく取り組みが必要だと考えます。私が住む緑区には認可外保育施設と幼稚園が連携している例があります。朝、保育施設に登園した子供たちが8時過ぎに幼稚園バスで幼稚園に向かい、幼稚園の活動が終わった午後2時過ぎにまた保育施設に戻ってきて夕方まで過ごすというやり方で、保護者の保育ニーズにこたえているわけです。これまでの制度の枠組みにとらわれない仕組みづくりも含めて考えていく必要があるのではないかと私は思います。
 そこで、待機児童解消には多くの子供が通っている幼稚園の協力を得ることが不可欠だと考えますが、幼稚園の預かり保育が進まない現状を踏まえ今後どのように幼稚園に働きかけていくのか、市長の考えを伺います。
 次に、こうしたさまざまな保育資源を活用した取り組みは利用者が適切にそのサービスを選択できることが重要であり、多様な保育資源を組み合わせて保護者のニーズにマッチした保育サービスを案内する保育コンシェルジュといったサービスなども必要になるでしょう。待機児童対策を進める一方で、多くの方が在宅で子育てをしている状況にあります。特にゼロ歳や1歳のころは、そのほとんどが在宅での子育てとなっております。やがて4歳、5歳になると幼稚園や保育園にほとんどの子供が通い、集団での生活を経験して小学校に上がっていくことになります。私は、この幼児期の教育が大変重要であり、小学校教育に円滑につながっていくことがその後の人間形成の上でも大変重要になってくると考えます。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)本市でも各区の幼稚園、保育園、小学校が連携して、教育内容などを相互に理解する取り組みや、幼児教育と小学校教育の接続期の研修などに取り組まれていることは評価したいと思います。そして、親が就労している、していないを問わず、子供を生み育てやすく、子供自身が健やかに成長していける町とするためには、保育対策だけではなく総合的な子育て支援策の拡充が必要だと考えます。
 そこで、安心して子供を生み育てる町を実現するために子供たちのための総合的な施策を市政にどのように位置づけていくのか、伺います。
 また、若いお母さん方が子供に多いアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどに関する情報を容易に手に入れられれば、子育ての不安を一部でも解消できるのではないかと考えます。子育てに必要な情報にいつでもアクセスでき、相談できる環境を整備するなど、子育て支援に関するさまざまな施策が必要であると考えますので、これらに関する対策についても検討をお願いしておきます。

投稿者 高橋まさはる : 15:57 | 政策のこと


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